2016年10月18日

路上開放の話

ストリートカルチャーという言葉がある。
主にスケートやグラフィティ、HIP HOPなどから派生したファッションや音楽、そして、ライフスタイルを指している。

と、頭では分かっていたものの、僕はストリートという言葉自体にはいまいちピンと来ないまま今まで過ごしてきていた。

僕らは昔から居酒屋に行くような金が無くて、当たり前のように道端で酒を呑み、酒代を稼ぐために自分たちで作ったTシャツなどのアイテムを道端で売り、誰かが楽器を持ってきて歌を歌う。
それらを路上飲み会や路上販売、路上演奏などと呼び、全てを"路上"という日本語に当てはめ、ごく自然な生活の一部でしかなかったのだが、単純にストリートカルチャーとはそういうことではないのかと気づいてしまった。

普段から当たり前のように過ごしていたせいで、ストリートという英語に当事者意識が一切無く、別文化だと思っていたせいで理解が出来なかっただけだった。

それをふと気づかされたイベントが先日東京であった。



【NO LIMIT 東京自治区】

イベント30超開催!出演バンド40組超!来日参加者180人越え!アジアを巻き込む巨大D.I.Y.祭り
世の中どこを見渡してもくだらないことになっている。世界の金持ちたちは世にはびこり、戦争や人殺し、人種差別も絶えない。しかし、その一方でアジア各地には音楽、芸術、謎のスペースなど「そう簡単に世の流れに巻き込まれずに、こっちのやり方で好き勝手にやっちゃうよ〜」というマヌケ地下文化圏が広がっている。そして近年、お互いの行き来も増えまくり、いまや謎のロクでもない奴らや役立たずなどがこのアジア一帯をむやみにウロつき始めている!
こうなったらもう、仮に世の中がメチャクチャになっても、各地のマヌケ文化圏にとっては屁みたいなもの。いざという時でも全く動じずに寝る所から食べ物まで続々と調達して、挙げ句の果てに死ぬほど遊び続けてしまえばいい。今回はそんな予行演習みたいなもので、アジア各地のとんでもないやつらが一挙に東京に集結して謎の自治区を出現させ、展示や上映、ライブ、トーク、くだらない講座、物販、飲み会などを開催! 前代未聞の祭がやってくる!!!!!!

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と、上記の解説文を読んでもいまいちどういうものか分からないかもしれない。
中国、香港、韓国、台湾、マレーシア、ドイツなどなど日本の近隣国から多くの人たちが集まったイベントで、僕が参加しているアルカシルカやワラバーズと、それ以外にも沖縄の友達バンドもいくつか呼んでもらった。
このイベント、良く分からないまま関わった人たちも大勢いただろうし、いまだにどういうものだったのか分からないまま出演だけしてしまった人たちもいるだろう。
このイベントが最後までなんだったのか分からなかった人たちは、完全に遊ぶのが足りなかった人たちだろうと個人的には思う。

一週間を通してライブや座談会、映画上映などが東京のそこら中で行われ、一週間も仕事を休んで日本までやってきた不良外国人が溢れていた。
かく言う僕らも3週間の東京滞在をしていたわけだけど、特にこのイベント期間中の1週間は毎日、駅前の広場や高架下でみんなで酒盛りをしていたが、大勢の外国人も同じようにそこら辺の道端で呑んでるもんだから、言葉が分からなくても自然と合流をし、身振り手振りでどうにか交流を図ればどうにだってなってしまう。いつの間にか誰かが楽器を持って歌い始める。なんの関係もない通行人が足を止める。酒を勧める。そして仲間に加わる。という事を朝まで繰り返す大宴会が連日連夜続く。

駅前は国籍の分からない人間たちで溢れ、あっちで歌を歌い、こっちでも歌を歌い、そちらではカセットコンロを持ってきて鍋をつつくというアナーキー極まりない様相を呈しており、道行く人たちも不思議に思っていたに違いない。人が沢山集まっていると通報したくなる変わった人もいるもので、警察も何度も注意に来るが、いつの間にか仲間に加わっていたおじいさんが、「いつからこの街はこんな息苦しくなってきたんだ!」と警察に説教するし、別に誰も悪事を働いているわけではないので、だんだん警察も諦めてくる。

少しずつ路上が解放されゆくのを目の当たりにしている頃、話の冒頭にあるストリートという言葉についてハッキリと意味が分かったのだった。僕らの普段の生活や遊びを同じような感覚で同じように過ごす人たちと交わったことによって、こういうところから生まれる文化がストリートとして呼ばれきたのだろうとは思ったが、別にそのことに気づけた事はさほど重要ではないし、別に「俺たちはストリート育ちだ」と格好をつけるわけでもないので、わりとどうでも良いのだけど、でもなんとなく、世の中こうあるべきだとしみじみと思う日々だった。

そして、一週間もかけてこの日本で他国の人たちと交流するという体験というのはとてもとても貴重だった。まあ、僕が住んでるとこは沖縄のコザという街だし、毎日アメリカ人とも交流はしているけど、それとはまた全然違う良さがあった。とにかく素晴らしいイベントだった。
他にも沢山言葉にしたい事がありはするけど、すでにまとまりがなく終着点が見つからなそうなので、この話はここまで。

それと余談だが、このイベントの企画の際に声をかけてくれた松本さんの書籍が筑摩書房から出版したのだが、僕らが企画しているオッドランドの事や、僕が住むポゴタウンの事などが面白おかしく書かれているので是非チェックしてみて欲しい。





ああ、そうだ。そうだった!それと、そういえばすごく大事な話を忘れていた。
先ほど3週間ばかり東京に滞在していたと書いたが、実はその後一週間は韓国にも行ってきた。ザンダリフェスタというイベント出演のためだったのだが、そこではシュウくんやユンくんという友達ができたし、路上が解放されまくってて散々楽しい経験をさせてもらったのだが、合計一か月間家を空けるという事は、その間全くお金が稼げないという事でもある。月々の支払は容赦なくやってくるし、追い打ちをかけるように今月の電気代が4万円以上という信じられない金額を電力会社から要求され、ここのところ口にするのは豆腐ばかり。ヤバい。本当にヤバい。遊び過ぎたツケが回ってきた。
なのに、来月も再来月もライブで東京へ行かねばいけないのにどうしたものか。

というわけで、生活費を稼ぐために大慌てでTシャツを作ったので買ってくださいという感じで締めますね。

通販はこちらから!助けて!

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ポゴタウン救済Tシャツ「ボンノーくんTシャツ」
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posted by ユーチャンチャン at 22:09| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

香港と中国へ行った話(その4)

最後の更新から随分経ってしまいました。
最終日の話を書きます。

早朝、宿を後にし、僕らは換金所を探した。
日本円を中国元に替えるためなのだが、どこにも見当たらない。
すると大きな銀行を見つける。
Exchangeと書かれてるので両替も出来るはず!

そして、我々は意気揚々と銀行のビルに入っていくも、案の定、銀行員は誰一人として英語が出来ない。
日本円を見せても、どこの国の紙幣か分からないといった感じだし、違う国の紙幣を両替なんてしたこともないといった感じで全く話にならない。
行員も「あっちの銀行へ行ってみた方がいい」と近くの別銀行を紹介してしまう始末。

次の銀行でも同じような感じ、たらい回し的にまた別の銀行を紹介され、そこに行くと今度は銀行の奥に通され、応接室のようなところで意思疎通を図る。
行員も慌てふためきどうにかこうにか時間をかけて両替に成功したものの両替ひとつで2時間近く時間を消費してしまった。


その後は昨日行った問屋ビルでの買い付けを済まし、香港へと戻る事にした。


香港では再びチョンキンマンションへと向かう。
シャブシャブとガンジャの誘いをかわしながら宿へと到着。
値段交渉をする。高い。帰ろうとする。引き止められる。安くしてもらう。でも高い。帰ろうとする。引き止められる。さらに安くしてもらう。
という段取りでなんとか、安くで宿を取ることに成功

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(写真:泊まった部屋。窓が付いてる事を押しにしていたが、窓からは汚い路地しか見えない)




荷物を置き少し休憩後に香港を散策に回る。



香港での一番の衝撃はビルを作ったり、高所作業をするときに鉄の単管を組み上げるのではなく、竹を使っていることだった。
日本を越えるようなこの大都会でアナログな技法を使い続けていることが信じられなかった一方、個人的には世界中で推奨したい技法だった。

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このなんの変哲もない竹の束を使う。確かに軽くて丈夫で理に適ってはいる。


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こんな歪な組み方で支える。超巨大なビルでも同じように竹を使っていた。不安になる見た目だがかなり格好良い。


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足元はこれ。かなり怖い。正気とは思えないが相当クールだ。






今後、香港に行くときはこの竹で組まれた工事現場を回るだけで良いかもしれないくらい気分が高揚できるカルチャーショックだった。


話は戻って、香港の夜の街の散策へ。

歩いていると、まりこ氏が突然驚いた声を出す。
日本でいうユニクロのような店だろうか、それは定かではないが、あちらこちらにチェーン展開されている大きな洋服屋があるのだが、そこの巨大な店頭ディスプレイに日本のモデルの友達がデカデカと写っていることに気付いたのだった。
あっちへ行ってもこっちへ行ってもその友達が移ったポスターやパネルが張り出されている。マリコ氏はあっちへ行ってもこっちへ行ってもその友達の写真を撮りまくる。
香港に来て、こんな事もあるんだねえと話していたけど、日本に帰ってきたら雑誌の表紙になってたりTVCMで起用されたり、そもそも日本でもとんでもなく有名人になっているようだった。

とりあえず散策を続ける。

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やはりネオンはかっこいい。


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なんか巨大な高さのテントで作られた市場。

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各店とも閉店間際のため、あまり店が開いてなかったのが残念。

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屋台。見たことのない食べ物のオンパレード。すごく美味しそうなシュウマイが食べたくてそれを買おうとしてたけど気持ちを押し殺した。


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どうしてもこの気持ち悪い見た目の食べ物が気になってしまったので、結局こいつを買うことにした。
グニャグニャした気味の悪い食感で、少し辛みのある味付け、スパイシーな匂いも相まって肉なのか海鮮物なのか分からない不快感ばかりが付いて回る。また香港に来ても、もうこいつを買う事はないだろう。


シュウマイが食べたかったが気持ち的にお腹がいっぱいになってしまったので、後味が悪いまま街を後にした。


そして、翌朝、僕らは日本へと帰るのだった。



おわり。
posted by ユーチャンチャン at 17:05| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする